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故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦

愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。

津名の昔ばなし刊行に寄せて

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 淡路新市庁舎の市長室から、広大な埋め立て地と、大阪湾が見えます。かつて子供の頃泳いでいた海が埋め立てられそこに合併した淡路市の庁舎が建つ。市議会で開催された子供議会の参加者には、その歴史の体験はありません。誰かが伝えなければなりません。

 今とは、過去と未来の狭間に在って、永劫続く形のない掛け橋です。歴史はその掛け橋を渡って未来に続いています。

 それ故、今を生きる私達は、昔を未来に繋がなければなりません。

 今、志筑新島に「神戸の壁」が有ります。阪神淡路大震災の時、地震火災から耐えて残った壁をモニュメントとして選んできたものです。議論評価は別れていました。

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 しかし、歴史はその事に結論を出しました。5町合併により淡路市が誕生し、神戸の壁は、震源地の市のモニュメントとしての位置付けになりました。そして、神戸ルミナリエの光と鎮魂の会話を受け継ぎ、ライトアップすることで、淡路市からも世界に向けて平和と愛のメッセージを贈ることにしたのです。

 これらは、誰かが語り継がねば分からない事です。神戸の壁はいつかは風化して消えてしまいます。しかし、絵になり、童歌になり、そして昔ばなしになる事で、生き続ける事が出来ます。

 かつて私達が先人から教わった事が有ります。それは口頭でした。

 「昔は淡路島の中で、一番賑わしかったのは志筑やった。大きな問屋街が有り人々で溢れていた。カネボウ工場の誘致にその問屋街の旦那衆が反対し、工場は津名郡洲本村へ、洲本は市として発展していき今の志筑の状況になった」

 それらが全て事実の出来事であったのか、確認するのは難しい。それらの事全てを含めて、昔ばなしは、歴史を説き明かし、温故知新の礎となるものです。

 南あわじ市には「淡國写真帖」の名品が有り、洲本市五色町には「文學界新人賞」の語り部が居ます。

 淡路市(旧津名町)からは、この「津名の昔ばなし」が刊行され、それらに匹敵するものとして、子子孫孫に渡るまで受け継がれていくことを切に期待します。

 旧津名町は、淡路市の都市集積地域としてゾーニングされ、市の中核として将来の美しい淡路島の礎として在ります。

 幾世代かが過ぎ、その時の後継者達が、津名町とは何かを感じる事の一つとして、この本が在る事も祈念し、刊行に当たってのお祝いのご挨拶といたします。
 
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  1. 2008/03/12(水) 08:44:14
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