故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦
愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。
年頭挨拶 2008年
淡路市長の門康彦です。淡路市の皆さん、淡路市を考える会の皆さん、新年明けましておめでとうございます。
新生淡路市になって3回目のお正月、如何お迎えになられたでしょうか。

十二支の最初の子年は、漢書「律暦書」によると「新しい生命が種子の中に萌し始める状態を表している」と有ります。
準備の段階から、美しい淡路市を目指す始動の年です。
市町合併は、国が制度を見直し「北海道から沖縄まで何処に行っても同じような行政サービスが享受出来る事より、身の丈にあった地域運営を選択する方向への転換をする中で」旧5町は、合併し継続可能な地域運営を目指しました。
簡単に言えば、合併しなければ破綻の道を突き進んだことを回避し、合併して縮小、集約を覚悟して質を高める方向で、持続可能な行政運営が出来る合併を実行したのです。
国が考え方を変更。→町役場の財政破綻。→住民サービスの維持のため→合併を選択。
そのために、淡路市行政改革大綱に基づき、集中改革プラン、定員適正化改革、財政再生行動計画、政策財政戦略会議(サマーレビュー)などを実施してきました。
具体的には、市長等特別職の給与のカット、市職員の手当等のカット、高級車の売却、職員によるトイレ掃除は、あの夕張市よりも早く実行しました。草引き等清掃、高齢者の安否確認、地域と一体となった祭り等も職員は率先してボランティア的な行動をしてきました。
これは単に財政的な視点からだけではなく、合併という過渡期の状態の中で、公務員として自分達が何を為しうるかという広義な視点からの行動でもありました。
また、身の丈に合った行政運営をするためには、税源が少ない淡路市は、コストを下げるために集約をしなければ予算編成が出来ません。
新しい学校、保育園、幼稚園を模索し、代替の施設等があるものについては、廃止、休止の措置を出来るものからしてきました。
合併協議会で持ち越しになっていました水道代の値上げ、これまで旧体制の中で整理未了であった税の支払いの適正化等もしなければなりません。
また、「合併したから支払が増えた、補助金が減った」等の誤解には、丁寧に機会有る毎に説明にも努めてきました。
合併をした時期と国が制度を変えた時期が一緒になり税負担等が増えた事、合併をしなければ補助金等はゼロになっていたのを、合併することで何とか今の額を確保出来ている事等、市民に再確認してもらう事にも努めました。
合併しない→破綻・補助金等ゼロより合併して→継続・縮小額を確保したのです。
そうした準備の段階を経て、いよいよ、これから淡路市は始動します。
まず、淡路市の現状はどうか?
明石海峡大橋の架橋により機能的、物理的には淡路は島でなくなりました。しかし、国道で有るべき橋の部分が有料である為、島的制約を受け続けたままです。
架橋により良くなった事の主な事は、往来する事の定時性が確立された事と本土導水により水不足が解消された事です。大橋が本来の無料になれば、景観に優れた用地は有るし水も確保されているので企業誘致も推進され課題が一挙に解決されます。
そして淡路市固有の資産、自慢出来る事は、瀬戸内海、大阪湾を臨み朝日の東海岸、夕日の西海岸に代表される起伏に富んだ景観。東山寺、常隆寺、松帆台場、妙勝寺、イザナギ神宮等の文化財群。夢舞台、佐野運動公園、震災記念公園、各種温浴施設等の施設群。温和で人情味溢れる地域住民。
これらを基軸に、淡路市に足りないものを補充し、誇るべきものを宣伝し、淡路市に住んで良かったと体感出来る街作りをしなければなりません。
過疎、少子、高齢化の過剰な進行を阻止し、目標設定を明確にして嘗てのように生き生きとした地域社会、淡路市を再生する事です。
環境は随分と違いますが、岐阜県白川郷の再生にヒントがあります。昭和40年代人口が三分の一も減少した里を救ったのは、住民の危機感であり、世界遺産の認定、芸術家への家屋の提供、伝統の祭りの継続そして若者達の帰郷でした。
私の基本政策、「地域住民主導の地域作り」の中で目指した三つの柱。
夢「市民と共に明るい夢の実現を目指す」とは、スポーツや漁業・農業・線香等の実体験そして田舎生活とも連係したハワイに匹敵する観光市です。
故郷「市民と共に安全安心な環境を目指す」とは、風車等クリーンエネルギーの誘致を促進し地球温暖化の阻止に務めながら、地域コミュニティーを再生し、住民自らが実行する環境、精神が一体となった「美しい淡路市」です。
未来「市民と共に健全な財政運営を目指す」とは、明石海峡大橋を国道として本来の無料にする事により、企業を誘致し雇用の促進を計り定住人口を増加させる。
都会で働き、安全で安心な良好な環境の淡路市に住み通勤する快適な生活空間の創出。
その為に、例えば、花博跡地に病院を核とした住宅地の建設を促進し、誘致する病院には産婦人科の設置を義務づけて市と連係、安全安心、美しい故郷で子供を産むために若人が帰郷する環境作りを目指す。
淡路市はまさに淡路島のゲートシティーとして神戸、明石、大阪のベットタウンとしての存在感を増す事により、単なる観光地ではなく、地域住民が住んで良かったと実感出来る「ご馳走のような市」として、再生を目指します。
その為に、市民自らが、夢を語り、故郷を愛し、未来に向かって一歩を踏み出す年、それが子年の今年の初夢でなければなりません。
皆さん共に頑張りましょう。
新年初頭に当たって、皆様方も色々と思われる事が有ろうかと思います。
「美しい淡路市」再生的創世を目指すためのご意見をお願いしまして、新年のご挨拶といたします。
淡路市を考える会 2008年 新春号
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