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故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦

愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。

正義について   ――阪神淡路大震災始末記異聞――

 あまりにも偽の正義が巷に氾濫している。

 例えば、阪神淡路大震災の悲劇の中で、脚光を浴びた「仮設住宅」の問題。勿論、それぞれにとって大変な状況の中で、必要な事であったし、施策としても避けて通れない命題でもあった。そのこと自体を問題にしているのでは無い。

 その期間と入居者の心に問題があった。

 仮設はあくまで仮設であって、速やかに入居者は自分の責任において、自分の住居を確保しなければならないし、また、そのように努力しなければならない。普通の人達はそのようにしそして、努力もした。
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 しかし中には、努力もしなければ意識の中において、「世話をしてもらうのが当然」という人達がいた。そしてそれらの言動を諭さなければならないはずのマスコミが表面的な記事により擁護し、あるいはおだて、全てそんな人達が困るのは回りの所為だと煽り続けた。その結果、誰かが何とかしてくれなければ何処へも行けない。してくれないのは、行政の責任、といった自己責任放棄の無責任な態度がまかり通る始末になってしまった。

 挙げ句の果てが、退却時、誰一人として「有難う」と言う言葉が発せられなかったという、常識では考えられないような幕引きが演出されることになってしまった。

 或いは、報道されなかった。

 そんな事は無い、と言う人がそう言うと必ず出てくるが、新聞、テレビ、いずれを見聞きしても、退却時、自分達の不幸が長引いたのは誰かの責任であるという文句の表明はあっても、人間としての最低限のモラル、「有難う」という一秒もかからぬ言葉が聞かれた事は皆無であった。

 因みに、仮設住宅にかかった費用は、不特定多数の人々から集まった税金である。

 正義とは、少なくとも常識の枠内にあってしかも、川の流れの両岸から見た視点を持った物でなければならない。
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  1. 2007/10/23(火) 21:49:52
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