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故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦

愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。

トマト  平成20年 夏

夏の日
島にまだ大橋が架かっていなかった頃
辿り着いた生家の生垣に
通夜の提灯の灯が揺れていました。


あれから30年
年若い友人のお母さんから
丹精込めた
懐かしい味のトマトを頂きました。


深夜にひとり
台所で食べてみると
微かに母の香りがしました。
親不孝な息子の悲しみの味がしました。


鈍く重い倦怠が まといつく暗闇の中
明日に向かって撃つとして
何を撃つのか
何を撃たねば ならないのか。


ふるさと 淡路島で 静かに
いつの日か 土になり トマトを育て
何処までも飛翔しながら
風になり 四季を 生きるのか。

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  1. 2008/09/11(木) 13:54:54
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