故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦

愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。

「新生・淡路市と共に」     淡路市長 門 康彦

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1淡路島の今。
故郷、淡路島、最近の大きな文化の流れの核と言えば、鳴門架橋、津名インター開通、そして明石架橋に代表されます。其々は、生活の基盤を変化させてきました。
そして、昭和の大合併の1市10町を経て、平成の大合併の3市体制の今があります。
今年、その3市の市議会議員の8割を超える議員が、「淡路島の未来を考える会」を立ち上げました。JC流に言えば、「淡路島1市運動」。
時代の流れは加速しています。
しかし、変化を求めない人も少なく有りません。例えそれが逼塞、ジリ貧への道程であったとしても、どうなるかも分からない明日の為に、「何故、今、汗を流さねばならないのか?」といった人間の本能から来るものです。
変えたくないという本能は、公共事業への対応にも表れる時があります。
市の未利用施設へ企業誘致をしようとした時、地元等の一部から、「その施設の廃止により蛍や泥鰌が復活し、昔のような自然が返ってきた。企業誘致は公害が心配」等と言った事で反対の意見が有りました。その企業の施設は公害等心配の要らないもので、過疎地の活性化、雇用の創出、地域経済の振興などにより諸手を上げて迎えられると思っていたので、一部とは言えそのような意見が出た事で、進出を止められました。地域全体にとって大きなダメージで、多くの人達が再考を陳情しましたが、自然回帰という地元の心情を考慮し、企業イメージの後退に繋がると言う事で会社の考えは変わりませんでした。何年か後に悔やんでも取り返しのつかない事をしてしまったのです。
国家的見地から見た時の関空建設反対運動の地域版でも有ります。
淡路市は、旧津名郡5町、淡路、北淡、東浦、一宮、津名地域から構成されている合併市です。地域経営の効率化、質の向上のために合併を選択した分けですから、当然、公平性も求められます。一部の旧町で徴収していなかった税を適正に徴収しようとしたら、新税と言って反対を唱えた市民。地域によって徴収管理にバラつきが有った市営駐車場を適正化したら、言語明瞭意味不明で反対。
これらも、変化を求めない頑迷固陋な特質からきています。良い悪いの観点からのものでは有りません。民度の問題です。

2淡路市の合併の意義。
自力で地域経営を続行するために、旧5町は合併という手法を選択しました。
合併に向けた指針としてのそのスケジュールの大前提は、平成17年から10年間で、淡路市の基礎的自治体としての確立を整備し、平成28年度以降、持続可能な財政運営の確立を図るというものです。
上期5年の3大目標は、1五町の融和、2赤字の回避、3バランスの取れた事業の執行。
下期5年の3大目標は、1企業誘致、2観光施策の推進、3行財政改革。
そうした観点から、淡路市の合併に不可欠なものを整理しました。
1 長期の計画を的確に推進し、将来の市政運営に責任を持つこと。
2 長い間に非常識が常識になっていた一部の既得権益を、打破すること。
3 前例に捕らわれず、柔軟に判断し、ぶれずに実行すること。
4 これまでの経験、手法に拘らず、悪しきものは排除すること。
5 少子高齢、産業構造の変化等に対応する、身の丈に合った市政運営を目指すこと。
これらの認識の上に、淡路市長としては、権力を行使することへの責任を持ち、全責任を負う覚悟に徹することでした。
そのうえで、組織のパワーを最大限に発揮できる環境整備のための改革を断行する。
これらの事は、限られた時間の中でより効率的に実行しなければならないので、批判のための批判、机上の空論の評論家的視点ではなく、プロとしての手法と責任を実行出来る覚悟が無くてはならなかったのです。
そして、後継者に求めるものは、市や組織へ貢献する情熱、強い実行力、そして冷静でぶれない視点です。また、計画に想定外の事が起きた場合、責任を持って修正し、市政運営の実績を示す事の実力も求められます。
後継者育成が急がれる所以です。
また、合併の質を高めるために、多様な意見、資質を持った顧問団の活用も必要でした。
現在の人間は、過去の蓄積の上に存在しているわけですから、温故知新の諺の通り、単なる歴史を知るだけではなく、識らなければなりません。そして、現に生存している多くの先輩からも学ばなければなりません。
淡路島が遭遇している3市時代にあって、淡路市の存在が、この過渡期という困難に際して、島民、市民の公益を実現する先頭に立たなければならないという覚悟でした。
それが、5町合併という未知との遭遇境界に、勇気を持って飛び込んだ先輩たちへの恩返しでもありました。
私心のエゴ、我欲を排し、本来の行政の手法で身の丈に合った淡路市創りを、粛々とすることが合併の意義そのものと確信しながら「明日を信じて、兎に角、一歩前へ」の行動へと職員共々、頑張ってきた7年間でした。

3淡路島一市の流れ。
淡路市の課題として大きく5点有ります。
· 少子・高齢・過疎の人口問題。
・H23現在 0歳児300名程度。VS 死亡600人以上。
・高齢化率(65歳以上)30.1%
・過疎化。 H22国調査46,465人(世帯17,520)東浦地域のみ微増。
      H17国調査49,078人(世帯17,329)
ただ、人口の増減は、見方によっては、評価が違ってきます。
 
*淡路島の人口が最高の時は、敗戦後の1947年(S22)226,890人(洲本市69,463南あわじ市72,644淡路市84,783=含む五色町)
2010(H22)143,589人(洲本市47,271南あわじ市49,853淡路市46、465(H17・49,078人=年間500人程の減・三市とも5万人を切った)
一方、
・1876年(M9)は166,925人(日本帝国統計年鑑)の人口です。
行政は、人口に応じてサービスを構築すればいい。所謂、身の丈に合った執行と言う事です。
1534年(477年前)織田信長の時代「人生僅か50年と敦盛を舞った」時、世界の人口は4.3億人。日本の人口は、1,540万人。
現在、世界の人口は69億人、日本の人口は1.3億人。2050年には、9,230万人と試算されています。
人口増は、貧困の拡大、エネルギー問題、そして地球温暖化問題までに波及しています。
見方を変えれば諦観ではなく、自然の摂理ということになるのでしょう。
淡路市として特に推進していることは、
· 定住人口の確保そして雇用の創出と経済活動。
・企業誘致。(12件内市外6社他に、学校、民間の営業活動等が実動)
・太陽光発電施設等、環境配意・地域貢献型の事業展開。
· 交流人口の確保。
 ・観光施策の推進。
 ・淡路島を世界遺産への運動の展開。(ハワイに学ぶ)
· 具体的な課題等。
・サービス施設の合理化(火葬場、ゴミ焼却場、図書館、市民ホールなど)
・交通施策(明石海峡大橋の無料化、交通空白地、弱者対策など)
・医療の確保(救急医療、産婦人科、終末医療)
・子育て支援と高齢者対策=弱者にどう対応するか等です。
(5) 「いつかきっと帰りたくなる街づくり」運動の推進。
・後継者が自信を持って住むことの出来る故郷の創造です。

これらの事から、三市体制と一市の意味等、将来的に1市を目指す見解を述べるならば、
 歴史の必然であり、時間の問題ですが、追い込まれて合併するか、将来を見越して積極的に推進するか、選択の問題と言えます。
 時間的には早ければ早い方が望ましいが、兵庫県で6番目に市政を敷いた洲本市と郡部の合併市町とでは、行政手法に違いがあり、調整等をする時間が必要です。
 敢えて、時系列で言うと、合併特例が切れるとされている、平成27年度が一つの基点。平成28年度にもう一度合併して、更に交付税の優遇措置と、地域活性化事業債(30%)をもう5年間使うのが、財政的には一番徳な手法とも言えます。

さて、淡路島一市の持つ意味、ビジョンを示さなければなりません。
淡路広域行政事務組合の新淡路ふるさと市町村計画(H18~22)の基本構想には、「淡路島は一つ、三市の連携強化」と有ります。
1940年(昭和15年)洲本市に市政が敷かれ、その後、昭和の大合併を経て、1965年(昭和40年)以降、1市2郡(10町)体制が続き、2006年(平成18年)に新洲本市の誕生により、淡路島の3市体制が始まりました。
 3市体制の誕生は、紆余曲折、島の合併協議会は難産を極めました。
 これらの背景には残念ながら、良い意味でも悪い意味でも、古い歴史、旧三原郡と津名郡の柵が有りました。偶然、全ての合併協議会に参加した私としては、今それを打破しなければならない時だと思っています。
1959年(S34)~10年間34億ドルの整備費を投入して、ハワイは観光地として飛躍しました。
そして1970年(S45)パッケージツアーが本格化して今のハワイが在ります。
それは淡路島にとっても不可能な事ではありません。単純な話で、島全体を守るために、最低の条件として、淡路島は一つ、小さな政府を創る事です。
パホーマンスとしては、国道である明石海峡大橋を無料に国がしないなら、車6台有れば十分で、橋を封鎖して、淡路島共和国を創る等の、行動を起こすべきなのです。
島民のワクワク感を醸成し、「三市体制は国策。一市は島民の手で」という言葉を最後に交友にお贈りします。

<津名高校同窓会東京支部会報。      H24.7>

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  1. 2012/09/15(土) 09:38:03
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