故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦
愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。
新生淡路県民局の行動理念について
「関西国際空港が淡路島に建設されていたら」と後ろ向きに眺める姿勢が、今の淡路には必要なのではないか。評価は難しい。しかし、繁栄発展を放棄した代わりとして、過疎少子、高齢化と静けさを手に入れいている。多様な価値判断、視点によって物事の判断をしなければ、人類の航路を間違える事になる。党利党略に捕らわれるといった狭少な行動理念では無く、志を高く、具体的に行動する事が今求められている。そういった観点から、行動の枠組を紹介します。
新生淡路県民局の一年はまさに瞬く間に過ぎました。
明石海峡大橋の架橋、本土導水の実現等により、淡路島は物理的に島ではなくなり、神戸地域までのアクセスの所要時間は、ほぼ平均一時間以内になりました。
一方、シンガポール、神戸市と同じ面積を擁しながら、過疎、少子、高齢化の流れは加速しています。あるシュミレーションによると平成四十二年、二〇三〇年には、島内人口は十三万人台になり、六十五才以上の人口比率は三十二・一%と予測されています。ほぼ三人に一人が高齢人口になるわけです。平成二年の十四才以下の年少人口比率十八%と高齢人口比率十八・九%を境にしてその較差が開いて行くばかりですから、自明の理であります。
そうした状況の中で、平成十二年三月に淡路公園島憲章を制定し、住民の参画と協働のもと、淡路地域ビジョンの推進が計られています。「淡路の持てるもの、仕組みの読み替え、内発的発展と独自の尺度作り、人と環境との係わりについての新たな選択」を理念とし、目標を「人と自然の豊かな調和を目指す環境立島・公園島淡路」としています。それは、花一杯の美しい島を創るだけでは無く、当然の事では有りますが、地域住民が「受益に応じた負担」を自己決定する責務も伴います。
そうする為に、量から質への視点の変換を必要としますし、何よりも、多様な価値観を柔軟な視点で見直す姿勢が大事です。
県民局の現地解決型総合事務所化は、そうした時代背景に対処する為に必然的に設置されたものでも有ります。
平成十三年度は、県民局が本格稼働する為の準備期間で有りました。器は変わっても中身は変わらない、の例えに有るように、組織が改変され縦割り行政の弊害である線と点の行政を面的な総合事務所にしても、働いている職員の意識が変わらなければ何も成りません。長く続けてきた仕事の方法を変える夢は、非常に努力を要します。
その為に、内外に関わらず、会議を多く持ち、議論の機会を広げ、何よりもPRに努めました。語りかける事、一歩を踏み出す事が今年の理念でした。

平成十四年度は、環境立島・公園島の創造に向かって具体的に施策の展開を図ります。県の一般会計が、震災復興によるイレギュラーな年度を除いて初めて対前年より減額予算となる状況の中で、地域の特性を生かし、地域戦略の推進施策を展開します。
●全島広域連係の自転車歩行者道の整備推進
●淡路ため池保全隊の設置
●淡路菜の花エコプロジェクト事業実施
●緑条例、環境形成区域案の検討調査
●風土工学的手法によるイメージ戦略モデル調査
●淡路地域ツーリズム振興事業推進
●淡路地域津波災害対策事業推進
●住民の参画と協働事業(地域運営支援モデル、森作りの推進)
●個別事業(ワールドカップ支援、景観園芸学校園芸療法プログラム開設、県立津名 高校改築、県立佐野運動公園整備)の推進
平成十五年度は、環境整備事業として、河川、港湾の浚渫事業、家畜糞尿の処理施設整備事業、環境立島にそぐわしい美化事業の展開、エコエネルギーの研究、淡路島リゾート整備の見直し等、を検討模索して行きたいと思っています。
いずれにしても、環境立島・公園島淡路として、地域が自立し、後世に胸を張って伝えることが出来るよう、理念を高くそして行動を具体的に展開するよう心がける積もりです。皆様の同志としてのご協力ご支援をお願いいたします。
IOGーNEWS 平成14年7月
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