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故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦

愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。

少年

砂塵の彼方
めくるめく深淵が
そうだというのか
海原の向こう
とめどない宇宙が
そうだというのか

廃屋の傍に立ち
降りしきる雨を
すかして眺めれば
笹百合の咲く谷間
雨の中
右手に食べかけの果実
左手を風にひらひら翻えさせて
少女が見えた

kadosan te
俺のものだったか
お前のものだったか
あるいは少女のものだったか
誰が知ろう

怒りが怒りをはらんで
昨日を生んだ
あれは果てしない
少年達の乱舞だったか

疎水の流れに秋深く
漂よう落葉が
そうだというのか
乾いた歩道に流星ひとつ
舞う残り火が
そうだというのか

今また
さわやかな一条の沈黙が
暮れる藍色の景色に
語りかけ
引かれゆく船人さながら
様々な相克の影に
夢を見る

枯れた大平原や
白い海
赤い山々
微かなかすかな
死者の子守唄が流れる異国の地
それが
そうだというのか

ひとりひとりの
虚妄の乱舞が
あれほどまでに唄いあげた
あれは ひととき
少年達の乱舞だったか
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  1. 2007/10/23(火) 21:19:25
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