故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦
愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。
これからの淡路を考える
地域づくりが、人間その種の保存の根源的営みとしてあるとするなら、今さら大仰にいう必要等無い訳で、永劫繰り返されてきた、「情報の共有」と言うごく自然体の行動と言う事で足りる筈である。ただ、価値観が多様化し変化が加速する現在、単にそこに留まること無く、多彩な相互連携をしながら共感を創出しそれを信頼関係にまで高めて行く事が求められている。その意味において、これまでIOGが担って来た役割は、淡路地域に在って重要なものであった筈である。そして今、IOGも幾多の歴史が遭遇したようにその節目を迎えている。
人は別れと出会いの狭間で生きていると言われる。母の体内から別れ自我と遭遇してから、長くそして短い旅の間に多くの別れと出会いを経験し人はそれぞれの歴史を作る。
私にとって、淡路県民局長の職との出会いが、IOGとの出会いの契機であり、そして亡き母と旧知の内山さんとの再会でもありました。IOGの一人の功労者である内山さんが島を去り、その島が平成の激動期に在ると言う事が単なる偶然なのか、歴史の必然なのかそれぞれの価値観視点に因って千差万別であろうが、淡路島が架橋によって島という概念から別れ島内外を問わず、通勤圏域と言う距離と時間に出会った今、島民が何を成すべきなのかを問われている選択の時期でもある。
活性化と人は言うが、現状では、定住を想定した活性化は困難に近い。交流人口の増大を図るとか、ハード事業に頼らず、ソフト事業によるイメージにより打開策を図る事が現実的な方策であり、過疎化の現実にあった施策が求められている。
今行われようとしている市町の合併の目的は、行政の運営を効率的にし、コストのかからない小さな市役所を作る事にあり、不特定多数の人々にサービスを提供する為には公平で的確、適正な手法を取り、特定の利害に流されるようなことは極力避けなければならない。事の是非は別にして、今迄の淡路地域は、比較的公共事業で優遇されてきました。無意識の内に私達はその事に安住してきた歴史が有ります。これからは、その価値観、視点を変えなければならない訳です。言葉としては簡単ですが、現実はそう簡単では有りません。例えば小さな市役所を作るという事は、雇用の枠の縮小を意味し、効率的と言う事は無駄な施設等の縮小廃止に繋がる。
結果として、取りあえず淡路地域が3市の枠組を選択している事は、現実に即した対応で有る事は間違いないが、正解であるかと言うとそれも疑問符が付く。
熟成した地域として、後世に責任を持って託せるのは、淡路島が1市としてまとまり、今の現状を冷静に認識してその器に合った行政運営を目指す事がベストであり、より正解に近い理念である。その為に今の生みの苦労がある訳で、いつの日か、その情熱が地域住民の土となり、そして風となるようにその地に生れた者の証として務めようではありませんか。そして、いつの日か、IOGが、歴史の中でしか語られなくなった時に、淡路1市の実現の功労者の一つとして語られる事を、新年初頭に祈念します。
平成16年3月 IOG NEWS 45号
(庫県代表監査委員)
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