故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦
愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。
津名高校同窓会が目指すべきもの
淡路島も他の例に漏れず、平成の大合併の最中に在る。15万7千人足らずを三等分して3市の枠組が検討されている。当然、津名高校が北淡路の一つの核として背負わなければならない責任は重い。ただ、それが一つの波としての結集し得ない原因が私達の母校に有る。それが北淡路の印象の希薄さにも繋がっている。
正確な資料は無いが、感覚として、卒業生か地元で就職する率は他と比較して、少ないのではないだろうか。働き場所が少ないから、自営業でもない限り島外に生きる道を見つけなければならない。同窓生同士の付き合いも希薄にならざるを得ない。他の田舎と違って同族意識が少ない分だけ所謂、「よそ者」を受け入れる素地が有る。津名郡には入り易いと言われているのもそんな所に原因が有るのだろう。
そして良い意味での寛容さが、団体行動を取る時の気迫に欠ける事となる。三原郡や洲本市と違う感性がそこに有る。良いとか悪いとかいうものでは無い。
そうした事を打破するのには、何らかのカリスマ性が必要となる。石原東京都知事のような存在が有れば申し分無いのだが、それは急に無理な話で、その代わりになるかどうかは議論の有るところだが、津名高校の校舎新築移転が2年後に迫っている。番匠ケ丘は大阪湾を見下ろす地点に有りほぼ淡路島の中心にも位置している。新校舎をシンボルとして住民の意見を結集し、共感を高め、信頼関係を構築する。それが、今の北淡路、津名郡に求められているものではないだろうか。
五色町住民は洲本市との合併を選択しているが、商工会は津名郡6町の広域連係を強めている。それは捻れ現象だと指摘する人もいるが、行政の枠組が全てに優先する時代はもう終了したのではないだろうか。目的、内容によっては柔軟に適切に生活する事を優先さすべきだと思う。例えば残りの5町、淡路は島の玄関口、東浦は国際ホテル、北淡は震源地と漁業、一宮は伊弉諾神宮そして津名は人家連たんした市街地としてのそれぞれの特色を活かしながらトータルとしては、大阪都市圏域を視野に入れた田園都市を目指すのも一つの方法でしょう。

その核として、物理的シンボルと言うだけより人的ストックも巻き込んだ形での母校のあり方を模索しなければならない。そのインセンティブとして、新たに計画されている新校舎への進入道路沿いに、桜並木を整備する為の運動を提案しました。10年後が楽しみと言う事ですが、そうした小さな事の積み重ねが、いずれ歴史、伝統となって花開くのではないでしょうか。これは一つの例示であって、津名高校といった枠組にこだわる事無く、津名郡全域でそれぞれの取り組みが着実に進められる事が重要です。
本年2月9日、淡路カントリーにおいて、津名高校OBを中心にして15組60名程のゴルフコンペが初めて開催されました。その後、ウェスティンホテルでは、100名近い参加者を得て、懇親会が開催され、盛会の内に共感作りの第一歩が踏み出されました。会の開催が目的ではなく、それが始まりという事で色々な価値観が在る中、今迄、津名郡地域に欠けていたと言われる共感、仲間作りの一つの試みとして発信された会話でも有りました。今、その小さな芽が一つ一つ花開き、広がりに繋がっていく動きが有ります。今迄の価値観を視点を、捨て去るのではなく、違ったスタンスで見直し、とにかく一歩前へ踏み出してみる事を優先しましょう。淡路島の時代の節目、過渡期に津名高校の同窓生が互いのルーツに共感を託す事により、新しい市の未来の礎を作る事、これが今の津名高校同窓会に求められています。皆さん共に闘いましょう。
津名高校同窓会 阪神支部報 平成15年7月
兵庫県代表監査委員(前淡路県民局長)
門 康 彦(高15回生)
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