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故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦

愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。

「縁(えにし)」~淡路市創世一周年記念「淡路島薪能」に寄せて

 清んだ暗闇に薪の炎が舞い、能面が人々の心を捉え、謡が夜空に染み込んで行く。

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 伊奘諾神宮の第1回「淡路島薪能」が、多くの人々の共同作業で実現しました。地域社会の崩壊が指摘されるこの地にあって、市民と行政がそれぞれの力を出し合って、国生み神話の島に新たな神話の一頁を開きました。

 縁「えにし」、言葉に奥深い意味が多く有ると言われる日本語にあっても、その中でも深遠な言葉。今回の催しは、その縁によって実現したとも言えます。

 旧、淡路、北淡、一宮、津名、東浦町が合併して一周年の記念、そして、二千五百から三千年の歴史を持つ日本で一番古い神社「伊奘諾神宮」が、お社の改修に取りかかった年、淡路島としては、本格的な3市時代の幕開けの節目の年、まさにそれらが、縁によって今宵結ばれ、多くの人々が集いました。

 日本人が作り上げた歴史と、人知の及ばぬ自然が奏でる美の催しは、多くの島人の意見の集大成でもあります。

 これまでも薪能は淡路島で多く催されてきました。しかし、何れもが、長続きする事無く、また、観光の拠点となって羽ばたく事も叶いませんでした。それは、これまで淡路島は一つと言われながら、実現していない現実にも繋がっています。

 先人の故事に学び、その手法と場所の見直しにより、心としては、淡路島を代表する催しとして、皆様に楽しんでいただく事を祈念しての島祭り。

 静と動、光と陰、その狭間に在るものを感じる事が、薪能の真髄ではないでしょうか。

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 国生み神話にもより、神々が宿ると言われる淡路島そして沼島には、昔から、ご加護や豊作豊漁を祈り、神々に感謝するお祝いに笛や太鼓に踊り等の芸能を奉納する習慣が多く見られます。それらも又、今日の催しの礎として在りました。

 今宵の薪能の感激は、観劇していただいた人の数だけ有ります。

 一生のうちで感激した事の内の一つとして、記憶していただける「淡路島薪能」との出会いをお土産として、持って帰っていただく事と、来年もまた、再会できる事を祈念しながら、地元を代表しての一人としてお礼のご挨拶を申し上げます。

                         平成18年5月
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  1. 2007/11/09(金) 13:37:23
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