故郷の雨 ――淡路市長―― 門 康彦
愛と正義の政治家、『砂楼の伝説』の著者でもある詩人 門康彦淡路市長の『故郷の雨』ネット版を、順次紹介してゆきます。
淡路市 地域経営 哲学(メモ)
1 公共事業出動か自然環境保護優先か
歴史が物語るという言葉が有る。沢山の事例の中で、特に印象に残ったものの一つに、琵琶湖疎水の土木工事が有る。
京都の命の水とも言われ、4年8ヶ月をかけて人力で完成された疎水は、東京遷都のあおりで京都に危機感を抱いた知事が、若干21才の青年に託し、日本では初めての水力発電までをも完成させた。
一方、その対局に有るのは、世界遺産に名を連ねる、屋久杉。木材産業で生計をたてていた島人、故郷の同胞に、帰郷した二人の青年が、このままでは、結局、自然の財産の屋久杉を食い潰し、人間も共倒れになってしまうと、未来の屋久島を守ろうと説得し、今の自然を守ったことである。
どちらも素晴らしい方法であり、現代の人類に貢献している。淡路市にそうした方法はないのか。それを模索する事が、地域経営の哲学そのものではないだろうか。
「生活と観光が同居する街創り。住んで良し、訪れて良し。そして世界情勢から島を見る」
2 淡路市の状況(面積184平方キロメートル)
①国勢調査
S35 7万1387人 1万6166世帯 高齢率9・5%
S40 6万6305人 1万6001世帯 高齢率
H12 5万1884人 1万7662世帯 高齢率26・8%
【核家族化進行】
H27 4万8373人 1万7328世帯 高齢率33・3%の予測
②第二次産業(製造業)線香産業 全国シェアー 70%
水産加工業(チリメン) カーネーション キンセンカ
③第三次産業従事者
S35 9614人
H12 1万1254人
④観光客入込数
(淡路市) (淡路島全体)
S55 127万人
H7 222万人 600万人
H10 1388万人 2298万人 明石海峡大橋開通
H12 1247万人 1731万人 淡路花博開催
H13 528万人 1000万人
H16 1615万人
▼指定管理者制度

肥大化した官、行政は縮減しなければならない。歴史における帝国等の崩壊に学ぶまでもなく、自信と過信の境界の一線を越えている現況を打破しなければならない。
その一環として、自治体や外郭団体が独占してきた公共施設の運営管理を民間にも解放する指定管理者制度。
地方自治法の改正で、2003年9月から、自治体は、公共施設の運営管理を民間企業や非営利組織(NPO)にも任せられるようになった。それ以前は、外郭団体や公共団体に限られていた。
目的は、民間参入で施設の経費削減やサービスの向上の推進。
自治体は、直営の場合を除き全ての施設について、指定管理者を定めなければならない。期限は、2006年9月まで。
課題の一つは、「民間だからこそ出来るコスト削減」という自信。それが過信に繋がると採算重視による事業、サービスの質の低下を招いてしまう。
事業内容やその質を指定管理者の選定にあたって、十分配意しなければならない。
▼バランスシート

2006年3月6日の日経新聞の記事に、「住民一人当り実質負債額」という記事が載りました。
< 日経産業消費研究所の全国市区バランスシート調査 >
1位 淡路市 122万5千円
3位 芦屋市 118万9千円
5位 篠山市 109万 円
「実質負債は、地方債など自治体が抱える負債から、基金、貸付金など返済原資に当てやすい資産を差し引いたもので、将来世代に残る実質的な負担。市は、投資抑制や人件費カット等思いきった歳出削減が必要」と指摘された。
しかし、バランスシートであるので、住民一人当たりで言うと日本一、資産を有するのも淡路市であり、その事は、調査書にはあったが、新聞報道はされなかった。
▼官僚主義
1 官僚制組織に見られる硬直化した行動様式や意識。
専横(わがまま、横暴)
形式主義
秘密主義
事なかれ主義
非能率
2 セクショナリズム 集団内部で自分の属する部門にこもって排他的となる傾向。
縄張り根性
派閥主義
セクト主義
3 前例踏襲主義
①厳しい局面で庇い合う
②下からの改革提案が少ない
③何でも文書で欲しがる
④減点主義的な傾向が残っている

*日本の戦後の成長を支えてきた官僚のあり方が問われている。価値観は多様化し、前例が参考にならなくなってきている。これからは、個個人がそれぞれの考え方を確立し、どのような事案にでも自然体で対応できる組織を再編成しなければならない。日本の文化でもあった、恥の概念が喪失しており、新しい行動指針も必要である。
▼平気で嘘をつく人
自分には欠点が無いと思い込んでいる。
異常に意思が強い。
罪悪感や自責の念に耐える事を絶対的に否定する。
他者をスケープゴートにして責任転嫁する。
体面や世間体のためには人並以上に努力する。
他人に善人だと思われる事を強く望む。
▼有るべき姿
個々の能力を伸ばす。背伸びをしない。
平成18年3月
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